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セブン レブン
セブン レブンに僕は行く
そして眼鏡の店長に僕はこう言うんだ
「すみませんが、この店を僕にくれませんか」
眼鏡の店長は身構える
そして何か 僕には意味不明の言葉を口にして
彼は首を振る
僕は首をかしげる
ギターケースのジッパーを下ろしてそれを取り出し
先端を 眼鏡の店長の口に突っ込む
鈍い光を放つ猟銃を脇に抱えて 僕は言う
「ありがとう」
レジを汚してしまったのがちょっと不愉快だったけれど
かくして僕はセブン レブンの店長になった
セブン レブンに僕はいる
そして小さな店内で僕は呟くんだ
「すみませんが、この店を少し変えませんか」
星が瞬いている
天井をプラネタリウムにしたよ
店の中は幻想的な青 深い海の中にいるみたい
ああ 素敵だな
お客さんは水中を泳ぐ熱帯魚
けれど何故だろう 可愛いエンゼルフィッシュ
店の奥でみんな引き返してくる
感謝の気持ちさ 僕が作ったんだ
そこにはまるで生きているみたいな剥製
眼鏡の店長があの時のあの表情のまま
ゆらりと立っている
そして
僕は首をかしげる その隣に見知らぬ男が
手には猟銃 彼は言った
「ありがとう」
セブン レブンに僕は行く
セブン レブンに僕は行く
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